最新の治療と設備について
VPT
VPT(バイタルパルプセラピー)
歯の神経を守る治療です。
日本語では『歯髄温存療法』といいます。
虫歯が歯の神経(歯髄)に達した歯が治療の適応となります
従来のC3の保険治療では、歯の神経を全て取ってしまう治療が必要になります。
そうすると健康な歯を多く削る必要があります。それによって歯がかなりもろくなり、結果的に歯の寿命が大幅に短くなってしまうことが多いです。
保険治療の流れは以下の通りになります。
VPTでは虫歯を除去して露出した神経の一部のみを切断します。神経の切断後、MTAセメントという特殊なセメントをつめることにより、神経の無菌化と、炎症を抑えます。
それにより神経を大部分温存することが可能です。
神経を残すことにより歯の強度を保ち、神経を抜く治療より歯を削る量も少なく出来ます。結果として歯の寿命も長くなりやすいです。
VPTの流れは以下の通りです。
当院ではマイクロスコープを用いることにより、VPTの成功率が格段に上がりました。
(画像は角度を変えてトリミングをお願いします。VPTの続きをまた送ります)
VPT | 神経を抜く治療 | |
---|---|---|
治療回数 | 2〜3回 | 6〜8回 |
歯を削る量 | 最小限 | 健康な歯質もかなり削る |
歯の強度 | 強いまま | かなりもろくなる |
歯の見た目 | 白くできる | 歯によっては銀歯になることもある |
治療成功率 | 82% もし成功しなかった場合は神経を抜く治療に移行します |
87% |
適応 | 適応できない場合がある | 全てのC3の歯に適応 |
費用 | ¥25,000-(税別) | 保険範囲内 |
実際に当院で治療したレントゲン写真を紹介していきます。
左上4番目の歯に穴があいて、虫歯になっています。こちらの歯を治療していきます。
虫歯をとった状態です。
虫歯以外の健康な歯は極力削らないようにしてます。
VPTと神経を抜く治療の比較です。実際に当院で治療したレントゲン写真を紹介していきます。このレントゲン写真の黄色部分が虫歯で、赤の部分が歯の神経になります。
虫歯を全部取ったら神経が露出したので、MTAセメントをつめました。セメントをつめた直後のレントゲン写真です。
神経とセメント(白い部分)が接しているのが分かると思います。
その後1ヶ月経過を見て、神経が健康な状態だったので、今回は患者さんの希望により金歯をつめました。(基本的には白い詰め物で治すことが多いです)
治療完了後のレントゲン写真です。
その後、数ヶ月経過していますが、全く問題なくご飯を食べられているそうです。
C3の虫歯を作らないことが1番大事ですが、もしC3になってしまった場合、VPTは非常に有効な治療法です。
(CR)ダイレクトボンディング
虫歯を取って白い樹脂で詰める治療法です。原則、神経まで達してない虫歯が適応となります。
下の画像だとC2の状態です。
実際の治療例です
左上4番目の歯に穴があいて、虫歯になっています。こちらの歯を治療していきます。
虫歯をとった状態です。
虫歯以外の健康な歯は極力削らないようにしてます。
唾液や菌が侵入しないように、ゴムのマスク等を装着して樹脂をつめていきます。
治療後の写真です。
見た目もそんなに目立たないように治すことが出来ました。
このケースは通常の保険診療だと銀歯になる場合が多いですが、銀歯を選択すると、同じような虫歯でも歯を削る量がこんなに変わってきます。
当然歯を削る量が多ければ、歯の寿命も短くなります。
ダイレクトボンディングは全ての奥歯に適用出来る訳では無いですが、可能であればオススメの治療法です。
当院ではC2の治療は原則
・ダイレクトボンディング
・セラミックインレー
・メタルインレー(銀歯)
のいずれかで治療します。それぞれの治療の比較をしていきます。
ダイレクトボンディング | セラミックインレー | メタルインレー | |
---|---|---|---|
画像 | – | ||
歯を削る量 | 少ない | 多い | 多い |
見た目 | 白くできる | 白くできる | 金属色 |
治療回数 | 1回〜 | 2回〜 | 2回〜 |
適合 | 良い | 良い | それなり |
強度 | 欠けることがある | 欠けることがある | 欠けることは少ない (周りの歯が欠けることがある) |
適用部位 | できない部位もある | 原則、すべての奥歯に適用 | すべての奥歯に適用 |
保険適用 | 原則、保険適用外 (保険範囲内でできることもある) |
保険適用外 | 保険適用内 |
奥歯が虫歯になった場合、可能な部位であればダイレクトボンディング(強調)で治療するのが最善で、それが難しければセラミックインレー(強調)で治療するのが良いと当院では考えています。
歯周組織再生療法
失われた歯周組織を再生する為の治療です。
下の画像の歯周病中等度以上が適応です。
まず当院での歯周病治療の流れですが、歯周病の進行状況を確認する為に歯周病の検査をします。
下の画像が歯周病検査の結果です。
紙に書かれている数字は、歯と歯茎の間にある溝の深さで、歯周ポケットと呼ばれています。
1〜3は比較的健康な部位
4〜5は歯周病初期
6〜7は歯周病中等度
8以上は歯周病重度 となります。
これをもとに歯石取りやブラッシング指導を行い、その後再検査をします。
その結果、6ミリ以上の歯周ポケットがある場合は歯周組織再生療法の適用となります。
歯周組織再生療法の治療法は、まず麻酔をして歯茎を切ることによって、歯根を露出します。歯根及び周りの組織を綺麗にした後、エムドゲインを歯根面に塗布することにより、歯周組織を誘導します。
それにより、通常の歯周治療より歯周組織の回復が良くなります。
状態により再生療法が出来ない場合もありますので、希望される場合はご相談下さい。
マイクロスコープによる治療
歯科用の顕微鏡のことです。
より細かいものを見たいときに使うわけですが、実際にどれくらい見えるかを説明していきます。
例えば分かりやすいもので、当院で販売してるうがい薬を肉眼で確認すると…
こんな感じなんですが、これをマイクロスコープで20倍で見てみると、
実はこんなに表面がザラザラしてるんですね。
これマイクロ導入当初、出来心でなんとなく見てみたんですが、私自身もビックリしました(笑)
つまり、肉眼でみえないものも見えるようになるので、より精度の高い治療が実現出来るようになりました。
マイクロスコープは基本的にセラミック治療、根管治療、VPT(リンク)等、自由診療の適応となりますので、もし宜しければご相談ください。