2026年10月13日
監修 クローバー歯科 院長 霜山 哲一
歯科医師歴18年・インプラント歴10年
インプラントの治療費、医療費控除でいくら戻る?
インプラントは医療費控除の対象です。
確定申告をすると、所得税の一部が戻り、翌年の住民税も安くなります。
年収別の早見表と、確定申告のやり方をまとめました。
インプラントのご相談で、とても多いのが「医療費控除でいくら戻りますか?」「確定申告ってどうやるの?」というご質問です。この記事では、年収別に戻る金額の目安と、はじめての方でも分かる確定申告のやり方を詳しく解説します。
💡 ご注意
この記事は2026年時点の制度をもとにした一般的な解説です。戻る金額は、家族構成やほかの控除によって変わります。個別の金額は、税務署や税理士にご確認ください。
医療費控除とは
医療費控除とは、1年間(1月1日〜12月31日)に支払った医療費が10万円を超えた場合に、確定申告をすることで所得税の一部が戻り(還付)、さらに翌年の住民税も安くなる制度です。
インプラントや骨造成などの治療費は、医療費控除の対象になります。生計を同じくする家族の医療費もまとめて申告できます。
【年収別】戻ってくる金額の早見表
当院のインプラント治療の費用で、戻ってくる金額(所得税の還付+翌年の住民税の減額)の目安を計算しました。
会社員の方(年収別)
お勤め先からもらう「源泉徴収票」の「支払金額」が、ここでいう年収です。
| 治療(税込) | 年収 約400万円 | 年収 約600万円 | 年収 約800万円 | 年収 約1,000万円 | 年収 約1,500万円 |
|---|---|---|---|---|---|
| インプラント1本 484,000円 | 約5.8万円 | 約7.8万円 | 約11.7万円 | 約11.7万円 | 約16.8万円 |
| インプラント1本+骨造成 539,000円 | 約6.6万円 | 約8.9万円 | 約13.4万円 | 約13.4万円 | 約19.2万円 |
| 隣り合う奥歯2本 968,000円 | 約13.1万円 | 約17.3万円 | 約26.4万円 | 約26.4万円 | 約37.9万円 |
| インプラントオーバーデンチャー 1,078,000円 | 約14.8万円 | 約19.0万円 | 約29.7万円 | 約29.8万円 | 約42.7万円 |
| インプラント2本で3本分のブリッジ 1,188,000円 | 約16.4万円 | 約20.7万円 | 約31.9万円 | 約33.1万円 | 約47.5万円 |
※会社員・単身・扶養家族なし、社会保険料を年収の約15%として計算した目安です(2026年分の税制)。
※所得税(復興特別所得税を含む)の還付と、翌年の住民税の減額の合計です。その年の医療費がこの治療費だけの場合の計算です。
※扶養家族や住宅ローン控除などがある方は、戻る金額が少なくなることがあります。
年金で生活されている方(年金収入別)
毎年届く「公的年金等の源泉徴収票」の「支払金額」が、ここでいう年金収入です。
| 治療(税込) | 年金収入 約200万円 | 年金収入 約250万円 | 年金収入 約300万円 |
|---|---|---|---|
| インプラント1本 484,000円 | 約3.1万円 | 約5.8万円 | 約5.9万円 |
| インプラント1本+骨造成 539,000円 | 約3.1万円 | 約6.3万円 | 約6.7万円 |
| 隣り合う奥歯2本 968,000円 | 約3.1万円 | 約9.3万円 | 約12.7万円 |
| インプラントオーバーデンチャー 1,078,000円 | 約3.1万円 | 約9.3万円 | 約13.8万円 |
| インプラント2本で3本分のブリッジ 1,188,000円 | 約3.1万円 | 約9.3万円 | 約14.9万円 |
※65歳以上・単身・年金以外の収入なし、社会保険料を年金収入の約8%として計算した目安です(2026年分の税制)。
※年金収入が少ない方は、もともと納めている所得税が少ないため、戻る金額は主に翌年の住民税の減額になります。
📝 例:会社員・年収600万円の方がインプラントを1本(484,000円)入れた場合
確定申告をすると、所得税の還付と翌年の住民税の減額で、約7.8万円 程度の負担が軽くなる目安です。
戻る金額の計算のしくみ
医療費控除の額を出す
1年間の医療費 −(保険金などで補てんされた額)− 10万円
※所得が200万円未満の方は、10万円ではなく「所得の5%」を差し引きます。上限は200万円です。
所得税が戻る
医療費控除の額に、ご自身の所得税率(5〜45%)をかけた分が戻ります。年収が高い方ほど、戻る金額は大きくなります。
翌年の住民税が安くなる
医療費控除の額の約10%分、翌年の住民税が安くなります。こちらは手続き不要で自動的に反映されます。
医療費控除の対象になるもの・ならないもの
| 項目 | 対象になるもの | 対象にならないもの |
|---|---|---|
| 治療費 | インプラント・骨造成・CT検査・入れ歯・治療目的の被せ物 | 見た目を整えることだけが目的の治療 |
| 交通費 | 通院のための電車・バス代 | 自家用車のガソリン代・駐車場代 |
| 支払い方法 | 現金・カード・デンタルローンで支払った治療費 | デンタルローンの金利・手数料 |
💡 ポイント
車で通院される方は、ガソリン代や駐車場代は対象外です。電車やバスで通院した場合は、日付・区間・金額をメモしておくと申告に使えます。
戻る金額を増やすための4つのポイント
家族の医療費をまとめて申告する
生計を同じくする家族の医療費は合算できます。年収が高い方がまとめて申告すると、戻る金額が大きくなります。たとえば、年金生活のご両親の治療費を、同居して生計を同じくするお子さんがまとめて申告できる場合もあります。
支払いをなるべく同じ年にまとめる
医療費控除は年ごとに「10万円」を差し引きます。治療費の支払いが2年に分かれると、10万円を2回差し引くことになり、戻る金額が少なくなる場合があります。年末に治療を始める方は、支払いの時期もご相談ください。
ほかの医療費も合算する
その年の通院や入院、薬代など、家族全員の医療費が対象です。歯科以外の領収書も捨てずに保管しましょう。
5年前までさかのぼって申告できる
申告を忘れていても、5年以内であれば還付申告ができます。過去にインプラント治療を受けた方も確認してみてください。
デンタルローンで支払った場合
デンタルローンを利用した場合も、医療費控除の対象になります。申告するのは、分割で返済する年ごとではなく、ローン会社が医院に治療費を支払った年です。その年に治療費の全額を医療費として申告できます。なお、ローンの金利や手数料は対象外です。申告の際は、ローンの契約書や明細を手元に用意しておきましょう。
当院では、エポスのデンタルローン(分割払い)をご利用いただけます。
確定申告のやり方(はじめての方向け)
「確定申告はしたことがない」という方も多いと思います。医療費控除だけの申告であれば、思っているより簡単です。スマホでも申告できます。
いつ申告する?
治療費を支払った翌年の1月1日から申告できます(還付を受けるための申告は、確定申告の期間〔2月中旬〜3月中旬〕を待たずに出せます)。期限は5年間です。混雑する2〜3月を避けて、1月中に済ませるのもおすすめです。
準備するもの
| 源泉徴収票 | 会社員の方は勤務先から、年金の方は「公的年金等の源泉徴収票」(毎年1月頃に届きます) |
|---|---|
| 医療費の領収書 | 当院の領収書のほか、家族全員の1年分の医療費の領収書。健康保険の「医療費のお知らせ(医療費通知)」も使えます |
| マイナンバーカード | スマホやパソコンで申告する場合にあると便利です(暗証番号も必要) |
| 還付金の振込先 | ご本人名義の銀行口座 |
| ローンの書類 | デンタルローンを利用した方は、契約書や明細 |
申告の方法は3つ
| 方法 | 特徴 |
|---|---|
| スマホ・パソコン(e-Tax) | 国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で、画面の案内に沿って入力して送信。自宅で完結し、還付も早め |
| 書類を作って郵送 | 「確定申告書等作成コーナー」で作った書類を印刷し、税務署へ郵送 |
| 税務署・申告会場で相談しながら | わからない方は、確定申告の期間に設けられる申告会場で、相談しながら作成できます |
スマホで申告する手順(マイナンバーカード方式)
「確定申告書等作成コーナー」を開く
「確定申告 作成コーナー」で検索し、国税庁のページを開きます。「作成開始」を選びます。
マイナンバーカードでログイン
「スマートフォンを使用してe-Tax」を選び、マイナンバーカードを読み取ります。
収入を入力する
会社員の方は「給与」、年金の方は「公的年金等」を選び、源泉徴収票の内容を入力します。マイナポータルと連携すると、自動で入力される場合もあります。
「医療費控除」を選んで入力する
控除の一覧から「医療費控除」を選びます。医療費は、医療機関ごとの1年分の合計を入力すればOKです(領収書1枚ずつ入力する必要はありません)。「医療費のお知らせ」を使う方法もあります。
還付金の振込先を入力する
ご本人名義の銀行口座を入力します。
送信して完了
内容を確認して送信します。還付金は、e-Taxの場合おおむね3週間〜1か月程度で振り込まれます。
💡 ポイント
領収書は提出不要ですが、5年間は保管しておく必要があります。翌年の住民税は、申告した内容が自動的に市区町村へ伝わるので、別の手続きはいりません。
わからないことがあれば、国税庁の「チャットボット(ふたばちゃん)」や、お近くの税務署の電話相談を利用できます。
!知っておきたい注意点
- 1. 会社員の方も確定申告が必要
医療費控除は年末調整では受けられません。会社員の方も、ご自身で確定申告をする必要があります。 - 2. 納めた税金以上は戻らない
所得税の還付は、その年に納めた所得税額が上限です。年金収入が少ない方などは、戻る金額が小さくなります。 - 3. セルフメディケーション税制とは併用できない
市販薬の購入費を対象にした「セルフメディケーション税制」とは、どちらか一方しか選べません。インプラント治療を受けた年は、通常の医療費控除のほうが有利になることがほとんどです。 - 4. 保険金で補てんされた分は差し引く
生命保険の給付金などを受け取った場合は、その金額を医療費から差し引きます。
💡 院長のこだわり:
当院では、治療を始める前に総額の費用を必ずご説明し、ご納得いただいてから進めます。お支払いの時期や方法についても、遠慮なくご相談ください。
費用の目安
| インプラント1本 | 484,000円(税込) 検査・CT・手術・上部構造すべて含む |
|---|---|
| 隣り合う奥歯2本 | 968,000円(税込) |
| インプラント2本で3本分のブリッジ | 1,188,000円(税込) |
| インプラントオーバーデンチャー | 1,078,000円〜(税込) |
| 骨造成が必要な場合 | +55,000円〜(税込) |
よくある質問
Q. 確定申告をしたことがありません。難しいですか?
医療費控除だけの申告であれば、スマホの「確定申告書等作成コーナー」で、画面の案内に沿って入力するだけで完了します。源泉徴収票と、医療費の1年分の合計がわかれば大丈夫です。
Q. 治療が年をまたいだ場合はどうなりますか?
医療費控除は、実際に支払った年ごとに計算します。治療が年をまたいでも、支払いがどちらかの年にまとまっていれば、その年にまとめて申告できます。
Q. 親の治療費を、自分の申告に入れられますか?
生計を同じくしている家族であれば、ご自身の申告に含めることができます。年収が高い方が申告すると有利です。
Q. 去年インプラントの治療を受けましたが、申告していません。
5年以内であれば、さかのぼって還付申告ができます。領収書をご用意のうえ、申告してみてください。
Q. 領収書をなくしてしまいました。
当院で発行した領収書の再発行や、お支払いの証明についてはご相談ください。
まとめ
- ✅ インプラントは医療費控除の対象
- ✅ 会社員・年収600万円の方なら、インプラント1本で約7.8万円程度が目安
- ✅ 家族合算・支払いを同じ年に・5年さかのぼりで損をしない
- ✅ 申告は翌年1月から、スマホでもできる
- ✅ 会社員の方も確定申告が必要
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