2025年8月15日

TCH(歯牙接触癖)とは?
気づかないうちに、歯と歯がぶつかっていませんか?
普段、上下の歯が「ずっと触れている」ことはありませんか?
実は、それが“TCH(Tooth Contacting Habit/歯牙接触癖)”という癖です。
この癖があると知らず知らずのうちに歯に大きな負担をかけてしまいます。
そもそも、歯は触れていないのが普通?
実は上下の歯は、何もしていないときはわずかに離れているのが正常です。
本来は1日のうち上下の歯がくっついてる時間は20分程と言われてます。
食事や会話のとき以外に歯が触れている状態が続いていると、お口周りの筋肉や顎関節に負担がかかってしまいます。
TCHが引き起こす症状
TCHは見た目では気づきにくいですが、以下のような不調の原因になっていることがあります。
• 顎がだるい、痛い
• 歯がしみる
• 歯がすり減る、ヒビが入る(ヒビから虫歯になりやすい)
• 被せ物が取れやすい
• 頭痛や肩こり、首のこり
• 歯周病の悪化
特に、日中に無意識に上下の歯をギュッと触れさせている方が多く、ストレスや集中時の姿勢とも関係していると考えられています。

どうやって治すの?
TCHの治療は「気づくこと」が第一歩です。
【当院での対策・ご提案】
①上下の歯を離す癖をつける
一度ついてしまった癖を無くすのが難しい事はご存知の方も多いと思います。ですが、それを逆手に取ることによりTCHを無くすことが可能となります。
『上下の歯をつける癖をなくす』
のではなく、
『上下の歯を離す癖をつける』
のです。
そういう考え方の方が成功率が格段に高くなります。
具体的にどうすればいいのか
まずTCHをしてるタイミングをご自身で把握して頂き、TCHしてる場所に『歯を離す!』的なことを書いた付箋をひたすらはりまくります。
多ければ多い方が良くて、ちょっと極端なレベルに貼ってください。
(周りの方に心配されないよう、治療してることを予め言っておくといいかも)
あとは、アラームも活用できます。「スマホなどでアラームを設定してアラームが鳴ったら歯を離す」というルールを作ります。それを1日何回か繰り返します。
それらを出来れば2週間以上続けて下さい。
そうすると、少しずつ改善されていくのが分かると思います。
ちなみにですが、寝てる間も脳は働いてるので寝てる時の歯ぎしり・食いしばりも、
歯を離す癖がつく事により改善される可能性があります。
②ボツリヌス注射
噛み締めるとほっぺが膨らむ場所があると思いますが、そこの筋肉の事を咬筋といいます。
咬筋に弱い毒素を注入することにより筋肉量を減らして、強制的にTCHや歯ぎしり、食いしばりを少なくする治療法です。
上下の歯を離す癖と一緒にやることにより、治療成功率がさらに高まります。
ご自身では気づきにくいTCH
「私は大丈夫」と思っていても、歯や顎に異常な負担がかかっている方は少なくありません。
当院では、TCHに関するチェックやセルフケアのアドバイスも行っております。
気になる症状がある方は、ぜひ一度ご相談ください。